2021年9月3日金曜日

砂の器

1974年
野村芳太郎監督作品

なんとなく目についてしまったので……。
2011年のドラマ版を見た事があったので大筋は知ってたんですが、圧倒的な映像力といいますか、原作の時代(1960年)より15年近く後に作られた映画ですが、今から振り返ると昭和でひとくくりに……。

お父さんが日常に着物で、電話のベルの音はやたら大きく、車道もなんとなくほこりっぽい。
特急電車には食堂車があって、改札は有人。
こういう鉄道遺産的な光景や、走っている車のレトロな感じはもう時代物っぽい新鮮さで、構図がきっちりしているところであったり、『蒲田』のワンカット撮るだけでもなされただろうご苦労を考えるとすごくおおがかりだなあ、と、思いを馳せたりもしました。
寝台特急見たさに十津川警部シリーズのドラマとか見ちゃうので私。

あ、あと、音楽の芥川也寸志氏は芥川龍之介の三男で、横溝映画でおなじみ草笛光子さんと結婚していた事もあったという……。

監督の野村芳太郎さんは(私の中では)悪夢の松竹版八つ墓村も撮ってらしたんですね……。典子ちゃんの存在を無視している八つ墓村は私の中ではナシです。
龍の顎の場面とかもナシです!古谷一行ドラマ版もそういう意味でダメです。

ちょっと脱線してしまいましたが……。

前半はひたすら丹波哲郎さんが一人旅をしている場面を楽しみ、後半は、壮絶な本浦親子の流転が四季折々の美しさと共に描き出されます。
映画を『活動写真』と言った意味がわかるような絵面の美しさですが、映画館で見たらちょっと退屈してしまうかもしれんですね……。

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